庭石の本場に生きる【Episode02】
このページを見れば あなたの知識は、もう、プロの世界です。
※このページは、先代 櫻井武信が書いた物をそのまま使っています。従って文中の「先代」は「先々代」になります。
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三波の産地に、四国石
四国石の依頼に先代は遠くの石は運賃が掛ると敬遠でしたが、大量に運ぶ事や 帰り荷で補う事を勧めました。
大量の四国石、先代はまんざらでもない様子でした。後日 珍しいと言って数石 売れました。
そんな訳で又持って来なさいと云う事に成りました。
風流な母
父の石集め、お金も大分掛かるのでは?母は父が集めた石を見ても決して反対はしません。
母は秩父市の太田部から嫁ぎました。普段は詩や俳句の趣味ある人でした。
集めた石を見ては、これもイイ石だ、あれもイイ石だと云い 私には言い様のない光景でした。
四国石、なぜ似てる?
先代が 四国から運ばせた石は、三波石に良く似てる不思議でした。
然し、数年後『三波石』は、すごい事実のある事が分りました。
↑三波石 |
↑四国 阿波青石 |
三波石、真石 (まいし)
漠然とした名前の真石、神流川で最も硬い石です。
写真でも見ないと判らない表現し難い石です。
岩石名はチャート、火打ち石、とも云われた石です。
(1)真石 |
(2)茶真石 |
(3)扇屋真石 (おうぎや真石) |
真石、更なる真石
川の流れで良く磨かれた、表面の滑らかな真石は降雨時、真石特有の半透明を思わせ、綺麗な物でした。
先代は川擦れの良い真石を 『雨ふり』と言いました。
『雨ふり』すだれ石等、石の心を大事にした先代の表現力が大いにお客様に受けた様でした。
正に真石は奥が深い
下も真石です。白柄の無い所は 簾(すだれ)の紋様です。三波石峡でも見られます。三波,四十八石の中にも存在します。
見事な赤石のこの石も、実は岩石名はチャート、真石です。
↑すだれの紋様が分かります。中央は見事な絵柄が有る様です。 |
↑すこぶる見事な赤石 |
三波の産地に 北海道の石
北海道から石が来る様に成ったのは、「四国石と同様に石の町に北海道の石も置かせて欲しい」との事でした。
チャート系、赤石、青石が入り乱れて点在する、赤岩青巌峡(あかいわせいがんきょう)石も水も綺麗でした。
この赤石は踊子石の役石、はごろも石です→ |
赤石の多い日高山脈
日高山脈の西側、沙流川(さるがわ)や、山脈南側の三石川 (みついしがわ)など、又、多くの支流からも赤石が産出され
鬼石町に最初の到着は日高の赤石でした。
その後、別の山間の夕張川や他の川の赤石も運ばれて来ました。
北海道の銘石、神居古潭石(かむいこたんせき)
神居古潭変成帯 (かむいこたんへんせいたい) に在る石です。 別名『あぶら石』共と云う。
色は、黒・青黒・青・灰・緑・茶など。 石狩川、景勝地の『神居古潭石』は天然記念物です。
神居(カムイ)は地名、古潭(コタン)は集落を意味します。↓石狩川から採取した神居古潭石です。 億の年代の銘石です。
億の年代の岩石類、神居古潭変成帯
えりも岬、西方から北へ、沙流川流域、夕張、空知、神居古潭峡谷、幌加内、猿払、宗谷岬、東方などに断続的に分布して
います。更に延長はサハリン(樺太)まで続いています。 『神居古潭石』の岩石類は この変成帯に長距離に分布しています。
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神居古潭変成帯 |
乾いている状態 |
濡れている状態 |
石の心を大事にする先代
神居古潭変成帯の沙流(さる)川や、空知(そらち)川の黒色・青黒色・紺色、先代は『沙流川』又は『空知川古潭石』と呼び
ました。
上図の神居古潭変成帯、樺太にも見事な古潭石が在ると云う説も有ります。 でも、採取の術は難しいでしょう?
神居の地より上りし、『神居古潭石』
以前も 黒や青黒の神居古潭石を展示しました。
天然記念物は採石禁止で、神居古潭地名の民有地から上げた石でした。 色は黒・青黒・紺・灰色など。
沙流川や空知川の石と同様の石も有りました。 水石と違い庭石では黒色は少ない様です。
↑写真左は埼玉県、お客様のお庭に搬入した大きな神居古潭石。 |
↑写真右は神居古潭の地名から上げたと云う、いわく付きの石。
この石は黒色で僅か青味のある石でしたが、布切れ等で磨くと光沢が出てきました。
又それを更に重ねると光沢と同時に以前よりも、ずっと黒く光る石にも成りました。神居古潭は磨くと凄いなー
近くで見ると光っているのが良く分かります。こんな石 飼ってみてぇ、いや 買ってみてぇー
先代の逝去
昭和59年8月、私の誇れる先代父が逝去致しました。行年78才でした。
私も涙が止まりませんでした。私39才の時でした。
もっと父と語り合いたかった、教わりたかった、孝行をしたい時には親は無し、親に教わりたいと思った時にも親は無しです。